2018年5月11日(金)

マンション大規模修繕工事に関する実態調査を初めて実施

 平成30年5月11日、国土交通省は、管理組合等によるマンション大規模修繕工事の発注等の適正な実施の参考となるよう、大規模修繕工事の金額、工事内訳及びその設計コンサルタント業務の実施内容に関する実態調査を初めて実施し、その内容を公表しました。

 

 「初めて」というのには驚きです。

 

 実態調査を行った、経緯・目的として、マンション大規模修繕工事の発注等において、施工会社の選定に際して、発注者たる管理組合の利益と相反する立場に立つ設計コンサルタントの存在が指摘されてきました。

 既に当セミナーへご参加いただいた方ならご存知ではあると思いますが、国交省では平成29年1月に通知を発出し、注意喚起を図ていました。

 同時に、相談窓口の周知活動を行ってきました。

 

 今回は、それに引き続き、管理組合等の大規模修繕工事の発注等の適正な実施の参考となるようにと、調査を実施、提供するものとなりました。

 

【要注意】利益相反の事例

   設計コンサルタント会社が、自社にバックマージンを支払う施工会社が受注できるように不適切な工作を行います。それにより、割高な工事費や、過剰な工事項目・仕様の設定等に基づく発注等を誘導します。

 その結果、コンサルタント料金は格安に見せ、その金額で受託し、結果として、割高な大規模修繕工事契約が行われ、管理組合に経済的な損失を及ぼす事態が発生しています。

 

 詳細は、下記ファイルをダウンロードしてくださいね。

 

 

 

ダウンロード
H30.5.11国交省報道発表 大規模修繕工事
H30/5/11に発表された大規模修繕工事に関する実態調査の資料
H30.5.11.国交省報道発表・大規模修繕.pdf
PDFファイル 170.4 KB
ダウンロード
H30.5 大規模修繕工事実態調査
報道発表時に公開された資料
H30.5.大規模修繕実態調査.pdf
PDFファイル 898.2 KB


2018年4月24日(月)

マンション修繕積立金不安 75%!

 マンションの大規模修繕工事には多くの不安や、新たな課題に直面することが少なくない。

 

日本経済新聞社が、全国14,000棟(全国の物件の1割)の修繕積立金を調査し発表した(2018/3/27)。

 それによると、独自計算ではあるものの、約10,500棟が国の目安を下回った(計算方法は、基金の実勢平均額を算出、加算)。

 

 また、築20年以上のマンションでは56%以上が不足する。

 

 国は2011年4月に修繕積立金のガイドラインを策定、発表しており、階数や、建築延床面積に応じて金額を算出の目安としている。

 

 

【15階建未満】

延床面積 ・ 平均額 ・ 事例の 3分の 2 が包含される幅

5,000 ㎡未満  ・ @月218 円/㎡・@月 165 円~250 円/㎡

5,000~10,000 ㎡ ・@月202 円/㎡・@月 140 円~265 円/㎡

10,000 ㎡以上 @月178 円/㎡・@月 135 円~220 円/㎡

【20 階以上】

平均額 ・ 事例の 3分の 2 が包含される幅

206 円/㎡ ・ @月170 円~245 円/㎡

 

 修繕工事は、その工事内容や設備、大きさ等により相当違いが生じる為、一律に、不安と言い切ることは出来ないが、住民にとっては一大事業であることには変わりがない。

 

 新築時は、住宅ローンに加えて、管理費や駐車場利用料等の負担を免れることはできず、修繕積立金もご多分にもれないため、安価に設定しいる販売業者も少なくないのが現状。

 販売業者としては「大規模修繕までに積立金を増額すればよい」つまり、段階的に値上げする計画をとるのが常套手段。

 

 しかし、積立金の増額には、管理組合での賛成決議が必要となる。万が一、管理規約の変更にまで踏み込む場合、区分所有者の4分の3以上の同意が求められる。

 また、段階的に負担を上げることに対して許容できなくなりつつある。

 マンション住民の高齢化の問題である。

 特に、リタイアした年金生活者にとって、毎月のコストが上がることの負担は相当なものである。当然、「反対」との声も多くなる。

 このように、合意形成が難しいのである。

 

 反面、マンションの老朽化はどんどん進む。

 老朽化が進むと、資産価値としても低下を招き、人が集まらなくなり、最悪の場合ゴーストタウン化することもあり得る。

 

 早期に、修繕計画、積立金の確保、管理の品質の見直し等に着手することが、マンションの価値を下げない為の、自衛手段ということができるでしょう。